(17)ディフェンスの発展

皮算用かもしれないが、オフェンスの基本や応用がある程度出きてきたら、対外試合でも大敗することは少なくなっているはずである。

しかし、強豪といわれるほどのチームにはなっていないだろう。

子供たちが、さらなる上のステージを目指し、勝利に飢えているようなら、ディフェンスを強化しなくてはならない。

本当は、オフェンスの練習をしていても、1on1や2on2などでディフェンスもしているので、基本の、「オフェンスが嫌がるディフェンス」を意識してやってくれていれば、それなりにディフェンスも上手くなっていることを期待しているが(笑)

しかし、その基本の「オフェンスが嫌がるディフェンス」をさらに出来るように、次のステップも教えてみる。

これに対応できれば、相乗効果でオフェンスはさらにレベルアップできる。


☆ヘルプ

おそらく、普通に練習や試合を指導していると、辛抱できなくて、すでに教えていると思うが、おさらい(笑)

ポジショニングでフロートとピストルハンズアップがちゃんと出来ていれば、味方が抜かれてボールがゴールに向かってきていたら、教えなくてもボールを止めに行く子も必ずいるのだが、ちゃんと教えたとおり(?)自分のマークしか守らず、ノーマークのレイアップを棒立ちで見ている子も必ずいると思う(笑)

ここでもう一度、全員でゴールを守ることを徹底したい。

欲を言えば、ヘルプに入る時は、自分のマークをフリーにするということなので、そこにパスが入ることが多い。

オフェンスの練習でも、そういうメニューを組んでいるので、それは理解しやすいと思う。

なので、自分のパスコースを手や身体で塞ぎながらボールに詰めさせたい。


☆ローテーション

ヘルプが出来るようになったら、次は当然ローテーション。

ヘルプに行ったところがフリーになっているから、そこを誰かが守らなければならない。

一番単純に考えるなら、抜かれた本人が代わりに行けばそれで終わりだが、時間・距離的に間に合わない場合が少なくない。

なので、一般的には、フリーになったオフェンスに一番近くて、センターライン(上)側のディフェンスが自分のマークと2人を守るか、完全にマークを変えてしまう。

ベースライン(下)側や内側のディフェンスがローテーションしてしまうと、ゴール下が守れなくなる。

フリーになったオフェンスにパスが入れば、当然完全にマークを変えることになるので、またフリーのオフェンスが現れる。

これにも対応していくのがローテーションなのだが、ミニバスでは、1回目だけで充分。

2回以上のローテーションを教える時間があるなら、オフェンスを教えたい(笑)


☆スクリーンプレーへの対応

オフェンスのメニューとしても是非入れたいスクリーンプレー。

初めはディフェンスが引っかかってくれないと話が進まないので、コツを教えずにオフェンスの練習をする。

しかし、そのうち、必ず相手チームが使ってくるはず。

そして、それはこちらのスクリーンにも対応されるはず・・・ということ。

ならば、そういう上手いディフェンス相手でもスクリーンを使えてナンボやろ!ってことで、スクリーンの対応を教える。

基本は、コミュニケーション。

スクリーナーが左右どちら側に付こうとしているかを教える。

ファイトオーバー等でノーチェンジのまま守り続けるのか、一気にスイッチしてしまうのか、選手同士のコミュニケーションが必須になる。

スクリーンにはファイトオーバーが基本!とよく言われるが、オフェンス重視で指導するつもりなので、仮想相手チームとしては教えるけど、自分のチームとしては、ファイトオーバーに拘るつもりはない(笑)


☆ビッグマンへの対応

小学6年にもなると、体格差が如実に現れることがある。140cmに満たない子もいれば、170cmを超える子も出てくる。

もし、相手チームにそんなビッグマンがいて、自分のチームにそれに対抗できる高さの子がいなかったら、どうするか・・・という問題。

諦めるわけには当然いかない。

そして、ここでも共通する意識として、楽にオフェンスさせないディフェンスを心がける。

・ 楽に動かせない ・・・ボディコンタクト

・ 好き(得意)なほうに行かせない ・・・方向付け

・ ゴール近くに行かせない ・・・バンプ

とりあえず、この3つを中心にディフェンスする。

ボールを持たせないっていうのが、一番効果があるかもしれないが、ロブパスされたら正直ディナイしようが、ダブルチームに行こうが、意味はない。

逆にディナイすると、簡単に頭の上を通されて、そのままノーマークでゴール下シュートを打たれるリスクの方が高い。

ここでダブルチームという選択もあるけども、ここでも、まずは1on1を基本にして、如何に自分より大きい相手を1人で守るかを教えたいと思う。

この準備が出来ていない場合は、ダブルチームを選択するもの致し方ない。


☆トラップ

俺自身は、あくまでディフェンスでも1on1を主体にしたいので、自分のチームの戦術として採用するつもりは無いのだが、仕掛けてくるチームが意外と多いので、そのチームとの仮想対戦用に触りだけ練習してもいいかも。

まずは、ディフェンスに抜かせる方向付けを決めるところから始め、ダブルチームに入るエリアの約束事をつくる。

オフェンスは、そのエリアに入るまでに、方向転換やパスでディフェンスを躱す。

ボールを持ちすぎる子、視野が狭い子は簡単に引っかかってしまうので経験させることで、それらを改善するキッカケになるかもしれない。


☆ディナイ

ディフェンスの基礎のポジショニングで、インラインを優先したため、ディナイをここで教える。

しかし、オフボールのピストルハンズアップは変わらない。

現実的には、指はボールとマークを指さなくなるが、どちらも同時に視野に入れ続けるという意味で変わらない。

バスケ協会の指導ビデオでは、肩に顎を置くようにアドバイスしていたと記憶している。

もう一つ、オフボールへの過剰な接触はファールだが、走りこもうとするコースを先に塞いでしまうのは正当なディフェンスであることも教えたい。

サイドチェンジやポストアップを何でも自由にやらせるのは、楽にオフェンスさせていることになるから。

時には身体を張って走るコースを遮ってオフェンスに当り(バンプして)オフェンスの嫌がることをしたい。

ここで重要になるのは、ディナイしてもインラインの防御を忘れないこと。

簡単なIカットなどで、ゴール下にアシストパスされるようでは、そのディフェンスは発展ではなく衰退になる。

あくまで、基本にプラスするという考え方を統一する。


☆オールコートマンツー

一発逆転や、ボール運びがおぼつかないチームとの対戦では、使いたくなる。

しかし、ギャンブル的な要素があるのを忘れてはいけない。

前から当たって、あっさり抜かれたら、フロントコートで確実にアウトナンバーになってしまうから。

もし、様子見をしたいのであれば、3クォーターからボールマンに当たらせてみるのもいいし、ボールマンだけオールで当たらせても良いかもしれない。

どちらにしても、簡単に抜ききらせないこと、抜かれても追うのを諦めずボールラインを必死に守ることの意識付けが必要。

また、トランジションの速さが必要で、ピックアップをどれだけ速く全員ができるか、ボールマンへのプレッシャー、ディナイやバンプで、どれだけオフェンスを嫌がらせられるかが大切である。


☆システムの切替

ゾーンディフェンスが禁止されたので、自然とシステムはオールかハーフに限定される。

3クォーターという選択肢もあるが、あまり使いどころはないように思える。

そこで、トリガー(切っ掛け)を決めてハーフとオールをゲーム中に切替えることで、相手のオフェンスのリズムを崩してみる。

トリガーは、残り時間であったり、得点や相手チームの技量で判断するなどを事前に決めておく。

好みで言えば、得点したあとはオール、それ以外はハーフ。

しかし、実際に指導した最後の年に試みたけど、子供たちは切替えられなかった(笑)

ま、そういう練習を平日に見てくれていたコーチに採用してもらえなかったから、当たり前やねんやけどね(涙)

また、冬季など会場や試合時間の関係で、アップが充分に出来ず身体が冷えているときには、ピリオドが残り3分を切ったら(1ピリオド5分の場合)ハーフからオールに変えさせた。

これは、得点をトリガーにせず、一度だけの切替なので、わりと簡単に導入できた。

初めからオールで当たるより体力の温存にもなったし、身体が温まってからなので動きも良くなった。

相手チームによっては、かなりリズムを崩すこともできたしね。

もう一つ良かったのは、一部の子供たちがタイマーにも気をつけながらプレーし始めたこと。

我ながら、良いシステムだったと思っている。


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