1on1練習メニューVol.02(ウイング編)
初めての1on1は、どういう順番で教えるのが良いのか?
前提として、この記事を投稿時点での「ミニバスの指導方法を考える」での方針に則って作成している。
この時点では、スクリーンアウトは教えていないし、教えないが使ってもよい。
エルボーからの1on1は、ボールを持っている事を前提として、そこからの攻め方、守り方の基本を行った。
今回は、その前の段階、オフボールからの1on1の基本を習得し、2on2~5on5へ発展させるためのメニュー。
オフェンスは、トップからのパスを受けて始める。
オフェンスのスタートは、段階を経て変更する。
エルボー編で習得した技術を使うことを極力意識すること。
右サイド、左サイドどちらも行うが、以下の説明は全て右サイドの場合。
途中、わざわざリングやコートの場所を限定しなくてもできるメニューがあるが、ディフェンスにポジショニングやインラインでゴールを守る意識をつけたいために、あえてシュートを打たない練習でも、同じ条件で行いたい。
オフェンス練習のときのディフェンスやパサーは、コーチが行うほうが効率が良いかもしれない。
- オフェンス練習:ミートで抜く
トップがボールを持つ。
ディフェンスは、マークとボールのピストルポジション(インラインより少しミドルレーン寄り)をとる。
トップからウイングへパス。
ディフェンスがワンアームの距離まで少しトップ側にずれてクローズアウト。
オフェンスは、キャッチと同時に左→右とストライドステップでミートしてディフェンスのエンドライン側をドライブで抜いてレイアップ。
ディフェンスは、抜かせてあげる約束練習。
慣れてきたら(3~5回くらい?)、ディフェンスストライドステップを右→左に変え、トップ側にドライブしてレイアップ。
このときのディフェンスのクローズアウトは、少しエンド側にずらす。
同じく慣れてきたら、ディフェンスがクローズアウトのずらす方向をランダムに変えて、抜く方向を瞬時に判断してドライブからのレイアップ - ディフェンス練習:パスカット(ディナイポジション)
1で、簡単にパスを通す(動かなくてもパスをもらえるので楽)と、ディフェンスが後手になることを理解してほしい。
オフェンスに楽をさせないようにするディフェンスを練習する。
トップとオフェンスの位置は同じ。ディフェンスは、ディナイポジション(1の時より)に入る。
右手をパスコースに伸ばして、肩に顎を乗せるようにして、マークとボールを同時に見る。
トップからウイングへパス。
ディフェンスは、チップかキャッチでパスカット。
オフェンスは、最初の場所から動かず、パスカットの感覚を養う約束練習。
慣れてきたら、トップは、バウンズパスやロブパス、速いパスなどランダムに変えて、カットできるパス、できにくいパスを感じる。 - オフェンス練習:裏を取る(バックカット)
2でただ待っているだけでは、パスがもらえないことを理解してほしい。
ディナイされたとき、どこにディフェンスのスキがあるかを覚える。
2と同じ場所でスタート。
ディフェンスはウイングへのパスカットのみを狙う。
オフェンスは、カットされないように一度外に開いてもらうフェイクを入れる。
ディフェンスは、パスを入れさせないようにパスコースを塞ぐように動く。
オフェンスは、ディフェンスの動きの逆をつき、バックカット。
そこに合わせて、パスを入れてレイアップ。
慣れてきたら、フェイクの方向をボール側に変える。 - ディフェンス練習:ディナイよりインラインを意識
3で、インラインを無防備にしていると、余計にオフェンスが楽に得点する機会を与えてしまっていることを理解して欲しい。
そこで、今度は、守る優先順位を意識する練習。
基本的な動き方は3と同じ。
違うのはディフェンスの守る意識。
パスカットとマークのインラインを守る意識を3:7くらいのイメージを持つ。
オフェンスが自分より上手いと感じたときは、さらにインラインを守る意識を強くもつこと。
オフェンスに楽をさせない(簡単にパスを入れさせない)ためにディナイでパスカットを狙っている素振りはするが、固執してしまうと、3のように簡単に得点を許してしまう可能性がある。
この意識の割り振りができない選手は、試合ではディナイをさせず、インラインのみを意識させる。
オフェンスは、フェイクを入れてバックカットする。
これにしっかりとディフェンスはハンズアップでついていき、ゴールの近くでパスを貰わせない。
特にゴール付近では、マークとの距離をしっかり詰めておく。
パスを入れさせなければOK。
パスがキレイに入ってしまう原因は、ある程度選手自身で考えさせたい。
パスが入らない時は、その場で止まらず、反対側のコーナーへと流れること。 - オフェンス練習:ディナイされてパスを貰う(Vカット)
オフェンスはコーナーからスタート。
ディフェンスはディナイでパスコースを塞ぐ。
オフェンスは、フリースローレーンまで、ディフェンスを押し込んで、ウイングに開く(Vカット)。
そこから1on1。
ディフェンスのポジションを見て、ウイングに開いてすぐに3のバックカットを使うも良し、パスを貰って1のミート(※)で抜くも良し、エルボー編で覚えた攻める3方向を意識して、背中側を攻めること。
ただし、ロングレンジのシュートはフェイクのみ可とする。これは、実際のゲームでも、外からのシュートは打たしていいとする方針なのでフェイクに慣れる必要があることと、ロングレンジシュートは、中からのパスからの時に限定する方針のため。
パサーにボールを貰いたいタイミングをしっかりターゲットハンドとボイスとアイコンタクトでコミュニケーションすること。
オフェンスがシュートを1本打つか、バイオレーションするか、ディフェンスがボールを奪ったら終了。
ハードなボディコンタクトはもう1回。
※Vカット後のウイングでパスを貰う時は、キャッチと同時に身体をゴール方向に向けるのが基本なので、小学生にはミートが難しいかもしれない。出来ない場合は、ミートのみの練習を先に行う。 - オフェンス練習:ディナイされてパスを貰う(Cカット)
スタートは5と同じ。
ディフェンスはディナイでパスコースを塞ぐ。
オフェンスは、フリースローレーンまで、ディフェンスを押し込んで、一瞬バックカットしてからウイングに開く(Cカット)。
そこから1on1。
あとは、5と同じ。
カットのバリエーション練習 - 総合練習:ポイント制リーグ戦
基本的には、5の初期配置で始め、その他のルールはエルボー編と同じ。
グループ内下位とその下位グループの上位を入れ替えて繰り返していく。
ポイントの付け方は、以下の通り。
【オフェンスのポイント】
レイアップで得点=3点
それ以外のペイントエリアの得点=2点
ペイントエリア外の得点=1点
シュート前に終了=-1点
1本もシュート打たずに終了=-2点
【ディフェンスのポイント】
1本目のシュート前に終了=3点
1本目でリバウンドキャッチ=2点
2本目のシュート前に終了=1点
ドライブでペイントエリアに入られた=-1点
3本以上オフェンスリバウンドされた=-1点
ファール=-1点
完全に抜かれた(オフェンスの後ろでシュートを見た)=-2点
ディフェンスのポイントは、シュートを打たれるのは問題ないが、楽にリングの近くでシュートを打たせないこととセカンドチャンスを与えたくないことを重視して考えてみた。
このポイントの付け方、特にディフェンスの方は複雑すぎるような気もするので、集計や判断が難しい場合は、どれかを省略するとか、オフェンスの得点だけにするかも。
この辺は、配点に関しても実際にやってみてからの調整が必要な気がする。
一応、想定しているのは、1~4までを1日で教えて、1~2週間続ける。
そのあと5~6を1日で教えて、1~2週間続ける。
そのあと、また1~2週間リーグ戦を繰り返す感じ。
エルボー編と合わせると、2つの1on1だけで最短6週間、最長で2ヶ月くらいかかる。なかなか子供の飽き性とか考えると、厳しいかもね。
もちろん、最初の説明練習以外の日は、他のメニューも当然1日の中に組み込んでるはずやけど(笑)
2016.10.05 修正(『ワンアーム』を『ワンハンド』って書いてた。。。恥ずかしい><)
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