(14)ゲーム形式練習での注意点
1on1や2メンゲームをオフェンスの主体とするといっても、それだけしていると、実際のゲームでは、人数が変わることで、視野やスペースの使い方が変わってしまい、練習の成果が出ないことが考えられる。
なので、やっぱり5on5の練習は必須。
特に公式戦前には、練習試合も組み、いつもと違う雰囲気を経験しておかなければならない。
ならば、その公式戦や練習試合の前に、ゲーム形式の練習をすることが自然の流れとなるが、ここでも、注意すべき点がある。
① ルールの理解
ミニバスでよく見る光景の一つに、ルールを知らないのか?と思える場面だ。
スローインの時に、審判がボールを渡す前に、レシーバーが、ボールを貰う動きをし始めたり、審判にボールを受け取ってから、パサーがどこまでも移動してしまったり、平気でラインを踏み越えたり。
また、ライン際のドリブルやライン際に転がったルーズボールを取りに行くのは良いのだが、ラインから出さないような配慮が全く見受けられなかったり。
3秒や5秒バイオレーションという時間の概念が無かったり、フリースローのシューター以外の定位置や動いて良いタイミングなど。
その他のバイオレーションもそうだが、ファールも知らないんじゃないかと疑うようなプレーをする子が、ホントに多い。
なので、これらのルールは、ここまでやっていた練習メニューでその都度説明し、またトラベリング克服などは、それに特化したメニューも導入しなければならないかもしれない。
ただ、ひとつひとつのプレーはそれで良くても、ゲームでしか感じれないルールもいくつかある。
ジャンプボールバイオレーションや、30秒ルール(ショットクロック)などもそうだし、審判のジェスチャーの意味なども知っていたほうが、後の財産になる。
なので、休憩中の(コートに入っていない)高学年の子に審判をさせたい。両側のエンドに1人ずつ、そして指導者がセンターラインから全体を見る。
こうすることで、ルールをより深く理解できるのではないかと考える。
② 得点板で点数をつけない
点数をつける弊害として、相手チームに勝つことだけを優先してしまい、特にチームの中で上手い子は、自分の好きなプレー、得意なプレーばかりになって、指導者がその日(時期)の課題としていたプレーを結局しないまま時間が過ぎていくことがよくある。
せっかく少人数や、場面で分解したメニューを一生懸命練習していたとしても5on5で使えなければ、その日の練習はまったく意味がなかったことになってしまう。
なので、課題のプレーを実践することを優先し、点数をつけないところから始める。
その日だけのルールを作るのも有効と思う。
例えば、相手チームが戻りが速いことを想定して、速攻を禁止するとか、逆に、一人ひとりの攻め気を促すために、セットオフェンスを禁止するなど、そのときのテーマを強制的に作り出すルールを考える。
チームが熟成し、チームが目指しているプレーを自然に多種類使えるようになったら、点数を競わせたり、残り時間と点差に応じたゲームの終わり方を教えたい。
③ テーブルオフィシャル(TO)の練習
①のルールと共通するが、対外試合をする場合、必ずTOは割り当てられるので、これもしっかり準備しておきたい。
正直、接戦になったときに、TOがミスると当事者のチームは気分を害する。
出来る限り、ゲームクロック、ショットクロック、スコアを全員が出来るようになってほしい。
④ 同じミスを繰り返すときの対応
指導してきたプレーをどうしても実践できない子は大勢居る。
居て当たり前という感覚を指導者は持ち続けたい。
しかし、練習時間や、他の出来る子を優先してしまって流してしまう指導者をよく見るし、自分もその1人だった。
その結果、いつまで経っても成長しにくい子がいる。
実際に、指導した3年間に何人も見てきたし、そういう子達は、中学に上がってバスケ部に入るものの、途中で辞めてしまうことが少なくない。
そうなってしまうのが、俺はどうしようもなく寂しい。
なので、そういう子たちを指導するために、1度目のミスの時は声掛け、2度目の同じミスの時は、一旦ゲームを止めて指導し、同じ状況で実際に出来るまで繰り返す。
それでも直らなければ、そのプレーに特化したメニューを後日に組み込むようにする。
この繰り返しが大切に思う。
ただ、このときに、よくあるのが、出来る子の冷たい視線。
いかにも「お前のせいで、俺(わたし)の楽しい時間がなくなる」的な表情で、その指導されている子を見下してしまう。
個々のレベル差が大きくなりやすいミニバスではよく聞く話。
これは、絶対に避けたい。
そこで、どうするか。
その出来る子に指導させてみる。
出来る子というのは、理屈でそのプレーを理解しているのではなく、感覚だけで理解していることが往々にしてある。
なので、その感覚を言葉に変換する訓練をさせる。
そうすれば、その子にとっても、その時間が、よりレベルの高い練習になる。
指導者は、その指導の様子を見て、言葉を補ってあげたり、誘導してあげたりするほうに注視する。
とまあ、いろいろ書いてきたが、これらをすべて実践し、子供たちに修得させるには、並大抵の努力と時間では成しえないやろうなぁと、つくづく思う自分がいる(笑)
実際にしてみたら、なんて絵空事を考えていたんだろうと思うかもしれない(笑)
それでも、子供たちにバスケを楽しく感じさせ、ずっと続けていってもらうには、どうしてもこういうことが必要だと思う。
まずは、Try! そして、反省、改善!
バスケも人生もこの繰り返し!!(笑)
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