(5)ディフェンスの基礎練

オフェンスよりも割く時間の割合としては少なめでいいが、ディフェンスの基礎は、やはり必要。もちろん、オフェンスの上達にも欠かせない。よって、こっちもオフェンスの基礎練と同時に多少行う必要がある(感覚的にはOff:Def=7:3~8:2くらい)。

時期としては、ドリブルがある程度ボールを見ずにできるようになってからが目安になろうと思う。ボールを見ないとドリブルができない状況でディフェンスをつけると、さらにボールに意識がいってしまうからである。

この基礎さえ修得できれば、その先のディフェンスを覚えるのは、オフェンス力がしっかり上がってから(逆に言うとオフェンスが伸び悩んでから)で良い。まずは、ハーフマンツーから導入する。

俺が考える基礎の優先順位は以下の通り。


☆ディフェンスの知識

これらをまず頭で理解させ、これらを実行するにはどうすべきかを考えられるようになれば、ディフェンスでの自分の動き方の理解・応用に通じると考える。

・ 一番重要なのは、相手に楽なオフェンスをさせないこと

・ ボールを奪うより、抜かれないことを考える

・ オフェンスにアウトナンバーを作らせない

・ ボールラインの意識


☆ピックアップ&ハンズアップ(マッチアップ)

・ オフェンスより速くバックコートに戻る(ハリーバック=トランジションを速く)

・ ディフェンスになるたびに大きな声でナンバーコール

・ ハンズアップ

 ボールマン⇒進行方向(もしくは行かせたくない)側の手を横に、

       逆の手を上にあげるか、前に出す

 オフボール⇒ピストル(ボールとマークの両方指でさす)

・ 相手が速攻をしてきたときは、事前のマッチアップに関係なく

 ①先頭を走っているプレイヤー

 ②ボールマン

 ③その他の走っているプレイヤー

 の順で優先してディフェンスする


☆フットワーク

ステイロー

・ 1歩目は大きく強くスライドステップから始める

・ スライドステップは、進行方向の足から出し(踵からフロアに付ける)、出した分だけ反対側の足を戻す(足をくっつけない)

・ 相手のスピードに応じて、スライドとクロスを切替える

・ オフェンスが抜きにきた時は、バックステップを1回入れてからスライド(ファール抑制)

・ ボールに手を伸ばすのではなく、身体の中心で相手の正面、もしくはゴール方向を塞ぎ抜かれないことを意識する

・ オフェンスが行こうとしているコースを動き始める前に塞ぐ(相手の次の行動を読む)


☆ポジショニング

インライン(守るゴールに背中を向ける)

・ ボールマンとの距離はワンアーム

・ オフボールはボールとマークの両方を、同時に頭を動かさず見続けられる場所に常に移動するが、マークがボールかゴールに近づけば距離をつめ、遠くなれば離れる(フロート)

・ ヘルプサイドのフロートは、フリースローレーンのラインを跨ぐ程度離す

・ ボールマン、フロートを優先(ディナイよりインラインを意識させることから始める)


☆スクリーンアウト

・ シュートチェックよりスクリーンアウトを優先

・ 全員が同時に行う

・ 背中全体で相手に体重をかける

・ 両手をやや後方に広げ、オフェンスの横の動きを察知する


基礎と言えど、覚えることは多い。ひとつひとつ確実に、繰り返し指導する辛抱強さが求められる。特に次のステップに入った時は、それまで教えたことを子供たちに答えさせて復習することも繰り返す。

ここでは、スクリーンアウトを最後とした。

理由は、ピックアップ、ポジショニングが出来ていなければ、オフェンスの内側に入れていないことが多く、スクリーンアウトに特化した練習をしても実際のゲームでは、使えないことが多すぎるから。

しかし、自分たちのオフェンスに繋げるためにも、スクリーンアウトは必須の基礎である。この順番で練習し、スクリーンアウトを修得するまでに要する時間をどれだけ短くできるかが、チームが試合でより多く勝てるかに関わってくると考える。が、あくまでも指導の主体はオフェンス。

相手にオフェンスリバウンドを何度も取られてシュートを決められても、その直後に取り返すオフェンスができればそれで良し!と、割り切った考えも重要。

また、ナンバーコールを大きい声を出すというのは、コート内でオフェンスでもディフェンスでもコミュニケーション(セットオフェンスのコールや、スクリーンへの対応など)をとるための最初の一歩とも言える。これを続けることで、コート内でも自然に声出しができるようになることが狙いでもある。

さらに、1on1でも抜かれたことを叱るのではなく、どうやって抜かれたかを覚え(経験)させ、次にその仕方をやらせない工夫を考えさせることのほうが重要と思う。

平成28(2016)年度から、小中学生のゾーンディフェンス禁止が完全導入されることもあり、マッチアップの指導は必須となる。

≪2016.02.04追記≫

ゾーンディフェンス禁止導入で一つ心配事がある。オフボールのマークチェンジである。

通常のハーフコートディフェンスでは、禁止されても仕方ないのだが、ターンオーバーなどからの速攻で、走ったオフェンスを止めるために、セーフティに入った選手が、そのままマークし続ける場合、大きなミスマッチが出来る可能性があるからだ。このあたりが、どういうルールになるのか、H28年2月現在では不透明である。

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